借金に困っている人が取る手続きには、任意整理がありますが、任意整理には様々なメリット・デメリットがあり、様々な流れがあります。
任意整理は、債権者と任意交渉し、主に将来利息のカットや借金の分割払いとする合意をする手続きであり、幅広く使われている手続きです。
そこで、この記事では、任意整理のメリットやデメリット、具体的な流れ、そして和解後の重要な注意点までを解説します。
任意整理のメリットとは
まず、任意整理のメリットについて解説します。
利息のカット
任意整理とは、債権者との間で、すでに支払った利息や将来発生する利息のカットを求め、元本のみを3年(36回)から5年(60回)程度の分割払いで返済していくというものです。
つまり、任意整理により借金に対する利息をカットできる可能性が高く、債務を減額することができます。
元本の分割払い
任意整理のメリットの二つ目は、原則として元本が分割払いとなる点です。
多くの場合、債権者との間で、利息がカットされた債務の元本を、約3年から5年の分割払いとする旨の合意がなされます
これにより、一カ月ごとの支払い額が大幅に減額されるため、借金の返済がしやすくなるといえます。
財産処分の必要がない
任意整理のメリットの三つ目は、原則として財産処分の必要がない点です。
自己破産の場合は、原則として自宅等の財産は処分されますが、任意整理の場合は財産処分の必要はありません。
したがって、任意整理は、自宅等の財産を守りながら借金の整理ができる手続きであるといえます。
整理する債務を選べる
任意整理のメリットの四つ目は、整理する債務を選べる点です。
任意整理はあくまでも債権者と任意に交渉をする手続きです。
したがって、ある債権は任意整理の交渉をし、別の債権は交渉しないということも可能です。
これにより、保証人がついている債権を任意整理から外すといった柔軟な対応が可能となります。
任意整理で知っておくべき4つのデメリット
任意整理はメリットが多く見えますが、メリットだけでなく、デメリットも存在します。
そこで、以下では、任意整理のデメリットを解説します。
信用情報への登録(ブラックリスト)
任意整理のデメリットの一つ目は信用情報への登録される点です。
任意整理を行うと、事故情報として信用情報機関に約5年間登録されます。
これが、一般に「ブラックリストに載る」と呼ばれる状態です。
この期間中は、新たな借り入れ、クレジットカードの作成、住宅ローンや車のローンの契約などが難しくなります。
元本そのものは減額されない場合が多い
任意整理のデメリットの二つ目は元本そのものは減額されない場合が多い点です。
任意整理でカットできるのは原則として将来利息や遅延損害金が主であり、借金の元本そのものは減額されません。
したがって、返済額は大幅には減額されないため、借金総額が大きすぎる場合は、多額の借金が残り返済が難しくなります。
保証人が借金の支払い義務を負う
任意整理のデメリットの三つ目は連帯保証人が借金の支払い義務を負う点です。
任意整理を行うと、原則として保証人が借金の支払い義務を負うこととなります。
ただし、先ほど解説したように、保証人がついている債務を任意整理の対象から外すことにより、保証人に迷惑をかけずに手続きを進めることができます。
交渉決裂のリスクがある
任意整理のデメリットの四つ目は交渉決裂のリスクがある点です。
任意整理はあくまでも債権者との任意交渉です。
したがって、債権者が提示した和解案に合意しない場合、任意整理は成立しません。
任意整理の具体的な流れ
任意整理の具体的な流れは以下の通りです。
弁護士への相談と受任通知の送付
まず、弁護士といった専門家に相談し、依頼することが一般的です。
専門家は依頼を受けると、すぐに各債権者に対して受任通知を送付します。
受任通知が債権者に対して送付された場合、原則として債権者は債務者に対して督促をすることが禁止されます。(貸金業法第21条1項9号)
参考 e-Gov 法令検索 貸金業法
したがって、受任通知を送付し相手方に到達した段階で、督促のストレスから解放されます。
借金の総額を計算する
次に、債権者から取引履歴の開示を受け、これに基づき借金の総額を計算します。
この際、これまでの取引で利息制限法の規制を上回る利息の返済をしており、利息を払いすぎていることが判明する場合があります。
これはいわゆる過払い金と呼ばれるもので、払いすぎた利息が返還されたり、予定されていた返済額から減額される可能性があります。
この段階で債務の総額を計算し、残額がある場合は次の流れに移ります。
債権者と交渉
債権者からの取引履歴を取り寄せ、正確な借金総額を確定させた後は、債権者と交渉を開始します。
交渉では、利息や遅延損害金のカットや元本の分割払いについて債権者と個別に交渉します。
ここで交渉がまとまった場合は、和解書を作成します。
返済開始
最後に、和解契約書に基づき、毎月の返済が始まります。
債権者への返済については、依頼した弁護士に代行を依頼することができる場合があります。
複数の債権者への支払いがある場合は、代行をしてもらうことにより、弁護士にのみ支払いを行えば足りるため、毎月の負担が軽減されます。
和解成立後に注意すべきこと
和解が成立しても任意整理の手続きは終わりではありません。
返済中は以下の点に注意が必要です。
返済の遅延は厳禁
まず、返済の遅延は厳禁です。
任意整理における和解書には、一般的に、2か月分の分割金の滞納があった場合一括で請求する旨の条項が盛り込まれます。
したがって、分割金を滞納した場合、任意整理により分割払いとなった部分が無駄になってしまうため、延滞には注意が必要です。
延滞し一括請求された際に、場合によっては、再和解の余地があります。
しかし、条件が厳しくなるといった、条件が悪くなる場合が多いため、延滞は厳禁です。
新たな借り入れをしない
次の注意点は、新たな借り入れをしない点です。
返済中に新たな借り入れをしてしまうと、月々の支払い額が増え、滞納が発生しやすくなります。
滞納をすると基本的に一括請求がなされるため、借り入れは極力控えましょう。
まとめ
本記事では、「任意整理とは?任意整理のメリット・デメリットや流れを解説」と題して、任意整理のメリット・デメリット、流れや注意点について解説しました。
- 財産を守りつつ、将来利息がカットし、月々の返済負担が軽減することができる
- 原則として元本はカットされない
- 和解後の返済が滞ると、一括請求されるリスクがあります。
任意整理はその特徴から比較的少額の債務を負っている方に向いています。
したがって、滞納状況によっては、任意整理ではなく、自己破産などの他の手続きの方が向いている場合があります。
各手続きの特徴やメリット・デメリットを把握し、最適な手段を選択しましょう。
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