「有期雇用と無期雇用の違いはどこにある?」といったような疑問を持った方も多いと思います。
この有期雇用と無期雇用の違いは退職や雇止めといった重要な点でで大きな意味を持ちます。
そこで、本記事では、有期雇用と無期雇用の違いについて、法律上の観点から詳しく解説します。
有期雇用と無期雇用の違い【一覧表で比較】
まずは、有期雇用と無期雇用の違いについて一覧表でまとめました。
| 有期雇用 | 無期雇用 | |
|---|---|---|
| 契約期間 | 期間の定めあり | 期間の定めなし |
| 雇止め | 問題となる | 問題とならない |
| 解雇・中途解約 | 客観的に合理的な理由があり、社会通念上相当といえる場合に解雇が可能 | やむを得ない事由がある場合(有期雇用の場合よりもさらに厳しい) |
| 退職のルール | いつでも解約(退職)可 | やむを得ない事由がある場合のみ |
有期雇用・無期雇用とは何か
まず、有期雇用と無期雇用のそれぞれの概要について解説します。
有期雇用
有期雇用とは、労働契約にあらかじめ契約期間が定められている雇用形態をいいます。
この有期雇用に多い契約形態としては、契約社員やパート・アルバイトなどがあげられます。
ただし、有期雇用か無期雇用かを判断するのは契約形態ではなく、あくまでも雇用契約に期間の定めがあるか否かによって判断するため注意が必要です。
無期雇用
無期雇用とは、雇用契約に契約期間の定めがない雇用形態をいいます。
一般的にに正社員は無期雇用であることが多いです。
また、パートやアルバイトであっても無期雇用契約の場合もあるため、雇用契約書を確認するようにしましょう。
有期雇用と無期雇用の違い
以下で、有期雇用と無期雇用の違いについて解説します。
雇止めの有無
有期雇用と無期雇用の違いの一つ目は雇止めの有無です。
雇止めとは、契約期間が満了する際に、雇用契約の更新をしないことを指します。
有期雇用の場合、定められた期間で契約が満了し、雇用契約が更新されない可能性があるため、雇止めが行われる可能性があります。
一方で、無期雇用の場合は、契約期間の定めがないため、契約期間が満了するといったことはなく、雇止めという概念自体が存在しないことになります。
このように、有期雇用と無期雇用には雇止めの有無という違いがあります。
解雇が認められる要件
有期雇用と無期雇用の違いの二つ目は解雇が認められる要件です。
まず、無期雇用の場合の解雇には解雇権濫用法理が適用され、客観的に合理的な理由があり、社会通念上相当といえる場合でなければ解雇できません(労働契約法16条)。
参照 e-Gov 法令検索 労働契約法
この要件を、裁判所は厳しく解釈しているため、無期雇用の場合の解雇は重大な事由がない限り違法となります。
一方で、有期雇用の場合は、やむを得ない事由がある場合でなければ、契約期間中に解雇することはできません(労働契約法17条)。
そして、このやむを得ない事由については、無期雇用の解雇の場合よりも厳しく解釈するとされています。
参考 厚生労働省 労働契約の終了に関するルール
つまり、有期雇用の場合、無期雇用の場合よりも解雇が難しくなります。
やむを得ない事由の例としては、けがや病気により労働が困難になった場合や、著しく重大な非違行為があった場合があげられます。
このように、有期雇用と無期雇用では、解雇ができる場合に差があるといえます。
本サイトでは、有期雇用・無期雇用それぞれの解雇について以下のリンクにて解説していますのでご覧ください。
自主退職の可否
有期雇用と無期雇用の違いの3つめは自主退職の可否です。
無期雇用の場合、原則としていつでも退職することができます。
無期雇用の退職(雇用契約の解約)については、以下のように定められています。
民法627条1項
当事者が雇用の期間を定めなかったときは、各当事者は、いつでも解約の申入れをすることができる。この場合において、雇用は、解約の申入れの日から二週間を経過することによって終了する。
e-Gov 法令検索 民法
つまり、原則として、2週間前に退職の意思表示をすれば退職できるとされています。
このことからすると、無期雇用の場合、会社が退職を拒否したとしても、民法上の退職が有効にされたものとされます。
これに対し、有期雇用の場合はやむを得ない事由がある場合を除き、退職(雇用契約の解約が)ができません(民法628条)。
有期雇用では、原則として契約期間満了まで雇用関係が継続すると考えられているため、退職が制限されます。
本サイトでは、自主退職ができるかについて法律的な観点からさらに詳しく解説していますので、以下のリンクからご覧ください。
まとめ
本記事では、「有期雇用と無期雇用の違いとは?法律上の扱いをわかりやすく解説」と題して解説しました。
有期雇用と無期雇用の違いは以下の通りです。
- 雇止めの有無
- 解雇が認められる要件
- 自主退職の可否
このように、有期雇用と無期雇用では、法律上、様々な点で違いがあります。
トラブルが発生した場合は、自身の雇用形態に応じた対応をするように心がけましょう。




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