残業代の計算方法とは?計算方法や請求できる場合について解説

労働問題
残業代の計算方法が分からないという悩みを抱えている方は多いと思います。 多くの方が「残業したら残業代がもらえる」という認識はあっても、具体的な計算方法や請求できる条件については曖昧なまま働いているのが実情です。 そこで、この記事では、弁護士が、残業代の正しい計算方法と、どのようなケースで請求できるのかを詳しく解説していきます。

残業代の計算方法

残業代の計算方法は、以下のように、一時間あたりの基礎賃金×所定の割増率×残業時間によって求められます。

基礎となる時給の計算

残業代を計算するには、まず「1時間あたりの基礎賃金」を算出する必要があります。 月給制の場合、以下の計算式を使います。 基礎賃金 = 月給 ÷ 1か月の平均所定労働時間 例えば、月給24万円で、1日8時間・月20日勤務(月160時間)の場合、24万円 ÷ 160時間 = 1,500円が基礎賃金の計算方法になります。 ここで注意したいのは、月給に含まれない手当があることです。 以下の手当は残業代の計算基礎に含めません。
  • 家族手当
  • 通勤手当
  • 別居手当
  • 子女教育手当
  • 住宅手当(一定の条件を満たすもの)
  • 臨時に支払われた賃金
  • 1か月を超える期間ごとに支払われる賃金(賞与など)
参考 川崎北労働基準監督署 割増賃金の計算方法

割増率の種類

残業の種類によって、割増率が異なりるため注意が必要です。 まず、通常の時間外労働は、原則として25%の割増率となります。 また、月60時間超の時間外労働は50%の割増率となります。 次に、休日労働の場合、35%の割増率となります また、深夜労働(22時~翌5時の労働)の場合25%の割増率になります。 これらが重複する場合は、割増率が加算されます。 例えば、深夜に残業した場合時間外労働の25%と深夜労働の25%が合算され、50%の割増率となります。 参考 川崎北労働基準監督署 割増賃金の計算方法

具体的な残業代の計算例

【平日の残業の場合】 基礎時給1,500円の人が、平日に2時間残業した場合 1,500円 × 1.25 × 2時間 = 3,750円 【深夜残業の場合】 基礎時給1,500円の人が、22時から24時まで残業した場合 1,500円 × 1.5 × 2時間 = 4,500円 【休日出勤の場合】 基礎時給1,500円の人が、法定休日に8時間勤務した場合 1,500円 × 1.35 × 8時間 = 16,200円

残業代を請求できないケース

ここまで、残業代の計算方法について解説しましたが、以下のような場合は残業代が請求できない可能性があります。

管理監督者に該当する場合

労働基準法上の「管理監督者」は、残業代の支払い対象外となります
労働基準法第四十一条 (省略)労働時間、休憩及び休日に関する規定は、次の各号の一に該当する労働者については適用しない。 (省略) 二 事業の種類にかかわらず監督若しくは管理の地位にある者又は機密の事務を取り扱う者 参照 e-Gov 法令検索 労働基準法
ただし、単に「課長」「部長」といった役職名がついているだけでは管理監督者とは認められません。 管理監督者と認められるには、以下ような状況におかれている必要があります。
  • 経営者と一体的な立場で仕事をしている
  • 労働時間について厳格な制限を受けていない
  • その地位にふさわしい待遇を受けている
したがって、単に管理職という名がついていても、残業代が支払われる場合があります。 参照 日本マクドナルド事件判決

消滅時効にかかった場合

残業代請求権が消滅時効にかかった場合は、残業代が請求できません。 残業代請求権の消滅時効は、法律上5年とされていますが、当面の間は3年という運用となっています。 つまり、残業代が請求できる時点から3年が経過した場合、残業代が請求できなくなるため、早めに請求しましょう。 参照 厚生労働省 未払い賃金が請求できる期間なのが延長されています

まとめ

本記事では、残業代の計算方法や、残業代を請求できる場合について解説しました。 計算方法は複雑に見えますが、基礎時給を正しく算出し、適切な割増率を掛けることで計算できます。 また、未払い残業代は時効があるため、請求することが重要です。

この記事の執筆者

本サイトを運営する弁護士(第一東京弁護士会所属)が執筆しています。

コメント

タイトルとURLをコピーしました